規律とは、特定の集団において、その集団の構成員が守らなければならないこととして、集団内で暗黙の裡(うち)に合意され、全員によって守られている行動規範を言います。例えば、「目下の人は、目上の人にあったら、先に挨拶の言葉をかけなければならない」は、その集団内の規律てせす。

規律の中には、ある集団に属している人々の多くが信じている宗教の教えに根ざしたものや、特定の地域の自然環境に基づいて決められているものなど、集団の文化的・歴史的な背景によるものなどがあります。例えば、豊かな人々は、貧しい人々が持っているものを、「物乞い」してはならないが、貧しい人々は、豊かな人々が持っているものを、「物乞い」しても良いとする規律もあります。

このような「しきたり」は、ヨーロッパ社会の一部で、歴史的に貧富の格差が著しかった地域に残っています。このような「しきたり」を禁じてしまうと、自然災害などで、その地域の人々の多くが餓死したりして、地域社会の維持が難しくなるからです。